江差の物語
日本遺産認定ストーリー
江差の五月は江戸にもない
~ニシンの繁栄が息づく町~
江差の海岸線に沿った段丘の下側を通っている町並みの表通りに、切妻屋根の建物が建ち並び、暖簾・看板・壁にはその家ごとの屋号が掲げられている。緩やかに海側へ下っている地形にあわせて蔵が階段状に連なり、海と共に生きてきた地域であることがうかがえる。この町並みは、江戸時代から明治時代にかけてのニシン漁とその加工品の交易によって形成されたもので、その様は「江差の五月は江戸にもない」と謳われるほどであった。ニシンによる繁栄は、江戸時代から伝承されている文化とともに、今でもこの地域に色濃く連綿と息づいている。